
シリンジ法とは?自宅でできる妊活
シリンジ法とは?
近年、自宅でできる妊活方法として注目されている「シリンジ法」。シリンジ法とは、シリンジ(針のない注射器のようなもの)を使って男性の精子を採取し、それを直接女性の膣内に注入する方法です。性交を介さずに精子を膣内に注入することで妊娠を目指せる方法として今、話題の妊活アイテムです。この記事はそんなシリンジ法のメリット・デメリットやパートナーへの伝え方などを紹介します。
どんな人におすすめ?シリンジ法が向いている人
シリンジ法は、性交渉に抵抗がある方や、性交痛・性交障害のある方に適している方法といわれています。不妊の原因のひとつといわれている「性交障害」は、女性側に子宮内膜症などによる性交痛がある場合や、男性側に勃起障害・射精障害がある場合など、さまざまな理由で性行為が困難な状態を指します。池袋レディースクリニックの松本先生によると、このような性交障害がある場合、自宅で実施できる「シリンジ法キット」を活用することで、ストレスを軽減しながら妊活を進めることができるそう。
また、不妊治療専門のクリニックに通うにはまだ早いと感じている方や、まずは自宅でできることから始めたい方にとっても、シリンジ法は自然妊娠を目指すうえでのステップアップとして、選ばれるケースが増えているそうです。
シリンジ法の成功率はどのくらい?
シリンジ法の妊娠成功率は、約5〜15%程度といわれています。一方、排卵日を狙って性交する「タイミング法」は約10〜20%といわれています。また、医療機関で行う「人工授精(AIH)」の妊娠成功率は10%といわれています。
ただし、成功率は年齢や体の状態、排卵日の正確な把握、精子の質、精子を注入するタイミングなどによって大きく左右されます。
そのため、半年〜1年試しても妊娠に至らない場合や、35歳以上の場合は、早めに不妊専門クリニックに相談することも検討しましょう。
シリンジ法のメリット・デメリット
シリンジ法のメリットは、精神的・身体的な負担を軽減できることです。性交に抵抗がある場合や、仕事の都合でタイミングが合わないカップルや夫婦でも妊活ができます。また、医療機関に通わずに実施できるため、費用が抑えられることも魅力です。
一方で、デメリットとしてはタイミング法や人工授精に比べて成功率が低いこと。また、排卵日の正確な把握や、シリンジ法キットに慣れるまでは不安に感じることもあります。さらに、精子を注入する位置や姿勢によって結果が左右されることもあるため、ある程度のコツが求められます。
実際に使ってみた人の声
実際にシリンジ法キットを使用して妊活した方からは、「性交にプレッシャーを感じていたけど、シリンジ法で気持ちが楽になった」「自宅でリラックスしながら妊活できるのが良かった」といった声が多いです。特に、仕事でタイミングを合わせづらいカップル・夫婦にとって、無理なく続けられる手段としてシリンジ法は選ばれているそう。
一方で、「最初はシリンジ法キットの使い方に戸惑った」「注入できているか不安だった」という声もあり、初めての際には緊張や使い方に不安を感じることもあるようです。
それでも、回数を重ねるうちに慣れてくる人も多く、2人で協力して乗り越えるきっかけになったという声もあります。
シリンジ法のやり方
シリンジ法はパートナーと2人で協力して行うことで、心と体の負担を減らしながら妊活を進められる方法です。男女それぞれの役割と使い方の流れを紹介します。

排卵日付近に合わせて採取できるよう、パートナーとコミュニケーションを取りながらスケジュール調整を心がけましょう。
女性医療クリニックLUNAの小野寺先生によると、現在もっとも妊娠しやすい日といわれているのが「排卵日の2日前」だそう。排卵日には個人差があるため、基礎体温を定期的に測定したり、排卵検査薬を使用して排卵日を把握するのがおすすめです。
清潔な専用カップ(またはシリンジ法キットに含まれる容器)に射精をして精液を採取します。
専用カップに入った精液を、シリンジでゆっくり 吸い上げます。
精液は、できるだけ15分以内に膣内に注入するのが望ましいため、採取後は速やかにパートナーに渡します。
座った姿勢や仰向けなど、自分がリラックスできる姿勢でシリンジを膣内に注入します。力を抜いて、ゆっくりと行いましょう。
注入後はそのまま10〜15分ほど横になります。骨盤を少し高い位置で保つと精子が奥に届きやすくなるといわれています。
おすすめのシリンジキット
meetaは、性交のタイミングが取りづらい夫婦・カップルのために開発された、安心設計のシリンジ法キットです。一般的な注射器のような形状ではなく、女性になじみのあるタンポン型容器を採用し、子宮口を圧迫しにくいのが特徴です。精液を無駄なく注入できる一体型構造と、吸い上げやすい独自形状の採精カップでパートナーの男性も安心して使えます。パッケージや見た目もかわいらしく、ストレスを感じやすい妊活中でも気分が明るくなりますね。
Seed in ( シードイン ) は妊活の悩みを解決するために開発された、医療機関でも推奨されているシリンジ法が初めての方でも安心して使えるよう設計された注入キットです。滑 らかなシリコン素材を採用し、先端が膨らんでおり膣に挿入しやすい工夫がされています。あらかじめ組み立て済みなので、使用前に手で触れる必要がなく衛生的。採精容器も個包装で同梱されており、衛生面に配慮しています。また、1回1パックでの使い切り仕様のため、使用後はパックに戻して封をしてそのまま捨てられ、後処理も簡単です。
男性パートナーにどう伝える?協力してもらうためのコツ
シリンジ法を取り入れたいと思っても、まずはパートナーの理解と協力が欠かせません。
突然「シリンジ法をやりたい」とパートナーに切り出すと驚かれることも考えられるため、伝え方には工夫すると良いでしょう。
まずは「最近こういう方法もあるみたい」と、情報としてパートナーに共有することがおすすめです。また、妊活がうまくいかないストレスや、性交に対するプレッシャーがある場合は、パートナーに正直に伝えることも大切です。
まとめ
この記事では、シリンジ法について解説しました。まとめると下記の通りです。
- シリンジ法とは、シリンジ(針のない注射器のようなもの)を使って男性の精子を採取し、それを直接女性の膣内に注入する方法
- シリンジ法は、性交渉に抵抗がある方や、性交痛・性交障害のある方に適している方法といわれている
- シリンジ法の妊娠成功率は、約5〜15%程度といわれている。
- シリンジ法のメリットは、精神的・身体的な負担を軽減できること。一方で、デメリットとしてはタイミング法や人工授精に比べて成功率が低いこと。
- シリンジ法を取り入れたいときは、伝え方を工夫して、パートナーに理解してもらい、協力を得ることがおすすめ。
妊活の方法は一つではありません。タイミング法、シリンジ法、人工授精(AIH)など、それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが正解というわけではないのが現実です。肝心なのは、「自分たちにとって無理がないこと」「続けやすいこと」「気持ちをすり減らさずに前向きでいられること」です。 妊活はゴールが見えにくく、不安や焦りを感じることも少なくありません。だからこそ、方法にとらわれすぎず、お互いの気持ちを重視しながら、「自分たちらしい妊活のかたち」を見つけていくことが大切です。 筆者の私自身も、タイミング法からシリンジ法、人工授精、そして体外受精へとステップアップを経験してきました。そうした経験を通じて、前向きに妊活を続けるためには、無理をせず、自分たちに合ったペースを大事にすることが何より必要だと実感しています。 自分たちにとって、無理のない妊活スタイルを見つけてくださいね。









