ピルは妊活に有効?妊娠したいときはいつやめればいいの?
ピルの種類と副作用
そもそも「ピル」とは一体どんなものなのでしょうか?
「ピル」とはエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンを配合したお薬で「経口避妊薬」とも呼ばれています。ピルには大きく分けて「低用量ピル」「超低用量ピル」「中用量ピル」「アフターピル」の4つの分類があります。
どんな方がピルを使っているのでしょうか?
ピルの種類によってそれぞれ違った用途で処方されていますが、たとえば「低用量ピル」や「超低用量ピル」は避妊目的やPMS(月経前症候群)、月経痛の解消などの目的で処方されています。
ピル服用の妊娠への影響とは
そうなんですね。ピルを飲んでいると妊娠への悪い影響はあるのでしょうか?
”避妊薬” というぐらいですから服用時は妊娠しにくい状態になります。ただし、妊娠を望むタイミングで服用をやめればむしろよい影響があります。生理は本来妊娠するための現象ですが、妊娠を望まないタイミングでの生理は回数を重ねるごとに無駄に身体への負担がかかってしまいます。しかし「低用量ピル」や「超低用量ピル」を服用していると、無駄な生理の回数を減らし、ホルモンバランスも整うため、結果 として妊娠を望むタイミングまで身体をよい状態で休ませることにつながるのです。
なるほど。たしかに現代に生きる女性は、昔よりも妊娠頻度が少ないので生理の回数が多いと聞きます。昔よりも身体に負担がかかっている状態だったのですね。
そうですね。ですのでいつか妊娠を希望される方には、その時までピルの服用をすることは決して悪いことではありません。生理の回数を減らすことで子宮内膜症のリスクも減らす ことができますよ。
ピルをやめるタイミング
「低用量ピル」や「超低用量ピル」を服用している方で、もし妊娠を希望する場合にはいつごろ服用をやめればよいのでしょう?
だいたいピルの服用をやめて1〜3ヶ月以内には生理の周期が安定し、排卵機能も正常 に働くようになります。基本的にはピルの服用をやめてすぐに妊娠は可能ですが個人差があります。でもピルを長期間服用していて、服用をやめたタイミングというのは妊娠にとってはかなりよい環境のはずです。
ピルをやめる際に気を付けることはありますか?
ピルをやめると服用前のように生理が再開するため、PMSの症状が再開したり、経血量がピルの服用中よりも増えたりという変化は当然起こります。また、短期間でピ ルをやめたり始めたりを繰り返すと身体に負担がかかるため、服用をやめる際にはよく考えて判断しましょう。やめる際にはお医者さんに相談してみてくださいね。
ピルを服用することで妊娠しやすい身体に整える効果も期待できそうですね。藤東先生、教えていただきありがとうございました!
まとめ
この記事では、藤東先生に「ピルと妊娠の関係についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。 ”避妊薬” という名前の通り、ピルの服用時は妊娠しにくい状態になる。
- いずれ妊娠を希望する方でも、妊娠を希望する時までピルの服用をすることは決して悪いことではない。
- 個人差はあるが、ピルの服用をやめて1〜3ヶ月以内には生理の周期が安定し、排卵機能も正常に働くようになる。
- ピルの服用をやめてすぐに妊娠するケースもある。
- ピルをやめると服用前のように生理が再開するため、PMSの症状が再開したり、経血量がピルの服用中よりも増えたりという変化が起こる。
避妊目的だけではなく、妊娠しやすい身体に整える効果も期待できるピル。服用をやめたくなった場合には、お医者さんに相談をしてみてください。
藤東クリニック 理事長・院長
1993年4月 東京医科大学病院 産科婦人科学教室 研修医
1994年5月 中野総合病院 産婦人科 医員
1995年6月 戸田中央産院 産婦人科 医員
1995年11月 東京医科大学 産科婦人科学教室 研究員
1997年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
1999年3月 東京医科大学麻酔科学教室
1999年7月 東京医科大学八王子医療センタ- 産科婦人科医長
2002年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
2002年5月 米国カンザス大学医学部 細胞生物学教室へ留学
2004年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 講師
2004年11月 東京医科大学病院産科婦人科学教室 医局長
2008年6月 県立広島病院 婦人科部長
2010年6月 産科・婦人科 藤東クリニック 院長
2015年11月 医療法人双藤会 理事長