生理前に体温が上がるのはなぜ?
生理前に体温が上がるのはなぜ?
生理前に体温が上がるのはなぜでしょうか?
女性ホルモンには、常に出ている卵胞ホルモンともう一つ排卵しないとでない黄体ホルモンというものがあります。この黄体ホルモンが脳の視床下部にある体温調節中枢に作用して熱が出るという仕組みです。
例えば、空腹になったことを感知して全身に知らせる飢餓中枢や、お腹一杯になったことを感知する満腹中枢と同じような仕組みです。
病気による発熱と区別するにはどうしたら良いのでしょうか?
病気による発熱かどうか区別するには、自分の平熱を知っておくことが大事です。
体温は個人差があるもので、36℃いかない人でも手足が冷えず健康の人もいらっしゃいますし、体温が36℃〜37℃の人でも冷えを感じる人もいらっしゃいます。「熱っぽいな」と思って体温を測っても熱っぽく感じるだけで、自分の体温が上昇しているわけではないこともありますので、まずは、平常時の平熱を知っておきましょう。
生理前はどのくらい体温が上がる?
平常時の平熱と比べることが大事なんですね。生理前はどのくらい体温が上がるものなのでしょうか?
低温相と高温相の差が0.5℃〜0.7℃くらいあると卵巣機能が活発かと思われます。
0.2℃〜0.3℃しか上がらない場合は、基礎体温を読むのも難しいですし、不妊症や無排卵月経の可能性など黄体機能を疑った方が良いと思います。
生理前の体温はどのように上昇するものなのでしょうか?
一般的には、排卵した翌日に体温が急激に上昇すると言われています。しかし、卵巣機能の悪い人は1〜2日ではなく、排卵してもなかなか体温が上がってこない人もいらっしゃいます。
妊娠しづらい方や不妊で悩んでいらっしゃる方は高温相にいくまでに4〜5日かかっている場合もあります。妊娠が確定した後、赤ちゃんの大きさから遡って調べてみると基礎体温の低いうちに排卵していたと推定される方もいらっしゃいました。
生理後の体温変化
生理が来たあとの体温はどうなるのでしょうか?
体温がストンと下がってから生理が来る人が多いですね。
下がりきってから生理が来る人もいれば、下がりきっていないうちに生理が来る人もいらっしゃいますので個人差があります。
生理がきても、体温の高い状態が続く場合は、黄体存続症といって卵巣に黄体が残っている可能性があり、体温の下がりが遅れることもあります。黄体とは、
排卵後、顆粒膜細胞が黄体細胞に変化することなのですが、その黄体細胞の寿命が14日±2日なので、高温期は14日間と言われている理由です。
妊娠したら、体温はどうなるのでしょうか?
個人差はあります が、一般的には妊娠するとさらに体温が高くなります。
生理前の体温と同じままの人もいらっしゃいますが、更にプラス0.1℃〜0.2℃くらい高くなることが多いと言われています。
中には「熱が出たかも」と勘違いをして風邪薬を飲もうとする人がいらっしゃるくらいです。
体温が上がる理由は、受精卵を守り、育てようとする黄体ホルモンがより多く出るようになるからです。妊娠4ヶ月くらいから徐々に体温が下がっていきます。
妊娠すると、さらに体温が上がる場合もあるのですね。塚越先生、ありがとうございました。
まとめ
この記事では、塚越先生に「生理前の体温」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 排卵後に量が増える黄体 ホルモンが、脳の体温調節中枢に作用して体温が上がる。
- 卵巣機能が正常な場合は、排卵した翌日に体温が急激に上昇する。
- 病気による発熱かどうか区別するには、普段から自分の体温を測り、平熱を把握しておくことが大切。
- 一般的に妊娠時にはさらに体温が上がる。
生理前に体温が上がることは、女性にとって正常な現象です。また、生理前に体温が上がることで、排卵日を知ることができるため、妊娠を計画している女性にとっては重要な情報となります。普段から自分の体温を測定し把握しておくことが大切です。
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