
デリケートゾーンのケアはどうしたらいいですか?

デリケートゾーンの特徴
デリケートゾーンは他の部位と比べてどう違いますか?


デリケートゾーンは言葉どおりデリケートなところなので、他の部位よりも皮膚が薄くなっています。そのため、バイ菌が入ってしまったり、乾燥が続くと湿疹などのかゆみの症状が出やすくなります。
デリケートゾーンのかゆみの対処法
デリケートゾーンのかゆみを感じたらどうしたら良いですか?


少しのかゆみであれば、数日はご自身で市販のかゆみ止めを塗ったり保湿して様子を見てもいいと良いと思います。乾燥が原因の場合はしっかり保湿をすることでかゆみが取れることがあります。
強いかゆみの場合は、膣炎やクラミジア頸管炎といった病気の可能性や湿疹で皮膚炎症が強いことがありますので早めに受診をしましょう。また、かゆみの他に、おりものが増えたり臭いが気になるような他の症状を伴う場合は早めに受診をしましょう。時間が経ってしまうとかゆみが慢性化しやすいため早く受診することをおすすめします。
どんなかゆみ止めがおすすめですか?


症状にもよるので特定のかゆみ止めを推奨する事はできないです。
市販のかゆみ止めに対してはあくまでも受診ができないときの応急処置として使う位置づけにしていただきたいです
頼りすぎてずっと長く使い続けてしまうと本来のかゆみの原因となる病気を見逃すことにつながりますので、数日の使用でかゆみが収まらない場合はすぐ受診をした方がいいと思います。
デリケートゾーン専用ソープの必要性
デリケートゾーンのケアには特別なソープを使った方がいいですか?


個人的には、デリケートゾーンのケアのために特別なソープを使う必要はなく、お湯で十分だと思います。
特にアンダーヘアを脱毛されている方は、お湯だけを使いできるだけ過剰な刺激を与えない方が良いと思います。
一方で脱毛されていない方は、デリケートゾーンが蒸れやすいため、毛についた汚れをしっかりと洗い流した方が良いと思います。
特に生理中や生理が終わった後は、バイ菌が入りやすいため気をつけましょう。
どんなソープがおすすめですか?


肌トラブルが起こりやすい方は、弱酸性で泡タイプのような刺激の少ないソープやデリケートゾーン専用のソープを使うとより刺激を抑えることができます。
また、夏になると陰毛の自己処理をする方が増えると思います。その時にデリケートゾーンに炎症が起こるトラブルも多く見られます。剃毛の時にできた傷にバイ菌が入ると膿ができて強い痛みが生じるケースもあります。陰毛の処理のときには必ず先にきれいに洗ってから行う事と、なるべく肌に刺激を与えないように、毛を剃るよりは短くカットした方が良いと思います。

デリケートゾーンの洗い方
洗い方はどうしたら良いですか?毎日洗った方がいいですか?


デリケートゾーンは皮膚が弱く薄いため、強くゴシゴシ洗う必要はありません。また、洗う頻度ですが、清潔を保つためには毎日洗ったほうが良いですが、普段はお湯を使い 、生理中や生理が終わった後はソープを使って付着した月経血等汚れを取るのが良いでしょう。
においが気になるときはどうしたら良いですか?


デリケートゾーンの表面の汗や毛についた汚れで臭うことがありますが、おりものが強く臭う場合は、細菌性膣炎や性病などの病気の可能性があります。治療法としては、原因にもよりますが、膣洗浄や膣錠を使う場合もあれば抗生剤の飲み薬で治療する事もあります。
そのため、おりもののにおいに変化があった場合は一度受診をした方が良いと思います。
おりものシートの使いすぎに注意
デリケートゾーンのケアで普段から気をつけた方が良いことはありますか?


おりものシートの使用ですね。
おりものシートを毎日着けている方が比較的多くいらっしゃると思いますが、おりものシートは下着に比べて、通気性が悪くデリケートゾーンへの刺激になるため年中使うことはあまりおすすめできません。何も症状がない方は使用しても構いませんが、かゆみが気になる場合は使用しない方が良いでしょう。どうしてもおりものの量が気になる場合は、仕事中はおりものシートをつけて、家に帰ったら取って皮膚を休ませるなど長時間使用し続けないようにしましょう。
そうなんですね!
李先生、教えていただきありがとうございました。

まとめ
この記事では、李先生に「デリケートゾーンのケア」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- デリケートゾーンは他の部位よりも皮膚が薄く、菌が入ってしまったり、乾燥が続くと湿疹などのかゆみの症状が出やすい。
- 少しのデリケートゾーンのかゆみであれば、数日は応急処置として市販のかゆみ止めを塗った り保湿して様子を見る。
- 強いかゆみの場合は、膣炎やクラミジア頸管炎、湿疹の可能性があるので早めに婦人科を受診する。
- かゆみの他に、おりものが増えたり臭いが気になるような他の症状を伴う場合にも注意が必要。
- かゆみの発症から時間が経ってしまうと慢性化しやすい。
- デリケートゾーンのケアに特別なソープを使う必要はなく普段はお湯で十分。生理中や生理が終わった後はソープを使って付着した月経血等汚れを取るのが良い。
- アンダーヘアの自己処理でデリケートゾーンに炎症が起こるトラブルが多いので注意。
デリケートゾーンはその名の通り敏感な箇所です。過剰な洗浄や強い刺激を与えることは避けましょう。かゆみや湿疹などが現れた場合には医師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
最近では、「ニオイ対策」や「蒸れ対策」などを目的としたデリケートゾーンのケアアイテムが増えてきています。今回は、その中から「デリケートゾーン用ウェットシート」と「デリケートゾーン専用ソープ」を紹介します。生理中や生理後などにていねいにケアしてみてはいかがでしょうか?
デリケートゾーン用ウェットシートはニオイ対策にもおすすめです。ポーチに入れて携帯できるサイズなので、バックに忍ばせておけば気になる時にパパッと使えるので便利!使用後はトイレに流せるタイプのものが多いもうれしいですね。
一般的に販売されている市販のボディソープの多くは ”アルカリ性” 。しかしデリケートゾーンは酸性寄りの “弱酸性” の性質を持つため、アルカリ性のボディーソープで洗うと染みて痛く感じることも…。 “弱酸性” のデリケートゾーン専用ソープを使用すれば、肌への刺激が少なく痛みを防ぐことができ、お肌にやさしく洗い上げることができます。
2008年 順天堂大学産婦人科入局
2012年 順天堂大学大学院卒業・医学博士取得
2014年 順天堂大学産婦人科助教
2017年 日本産科婦人科学会認定・産婦人科専門医取得
2019年 錦糸町駅前レディースクリニック開業











