だるくて何もしたくない…生理前・生理中の倦怠感の原因と対処方法
生理時に倦怠感が起こる理由
生理前や生理中の倦怠感はなぜ起こるのでしょうか?
生理前〜生理中の倦怠感は「月経前症候群(PMS)」あるいは「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれる症状です。この症状の原因は明確には解明されてはいないのですが、一般的には2つの女性ホルモンが関係していると言われています。まず、「プロゲステロン」という黄体ホルモンです。このホルモンが排卵直後から分泌量が増え、脳の神経に作用することでイライラする気分や倦怠感が出やすいと言われています。また “幸せホルモン” とも呼ばれる「セロトニン」の分泌が生理前には減ると言われているので、それも原因として考えられます。
生理前の倦怠感の対処法
倦怠感を感じた場合はどのように対処したらいいのでしょうか?
ご自身でできる基本的な対策としては、規則正しい 生活を行うこと、十分な睡眠、適度な運動、飲酒を控え、ストレス解消に努めることです。熱めのシャワーを浴びて交感神経を刺激したり、休めるタイミングでしっかりと休息を取ることも大切です。
倦怠感に効果が見込める食材
そうなんですね。倦怠感に有効な食べ物はありますか?
食事療法として「カルシウム」「ビタミンB6」を多く含む食材や、「西洋ニンジンボク」というPMS対策に効果が期待できるハーブなどをおすすめしています。また、お米やパン、うどんなどの複合炭水化物を摂取するようにもお話ししています。
炭水化物もおすすめというのは意外ですね!
そうですね。炭水化物には2種類あるのですが、いもや米、パンや麺類などの複合炭水化物は血糖値をゆっくりと上げて気持ちを安定させてくれるのでおすすめです。反対に、お菓子やジュースなど人工甘味料などを多く含むような炭水化物の摂りすぎは、血糖値が急激に上がることでセロトニンの分泌が抑制されてしまって、却って倦怠感を悪化させてしまう可能性もあるので注意しましょう。
生理期間は甘いものが食べたくなりがちですが注意したほうがよさそうですね。ちなみに生理前〜生理中の倦怠感はお薬で治療できるのでしょうか?
実は現時点では倦怠感を取り除く有効なお薬は開発されていません。そのため、食事や生活習慣を見直して、症状緩和を図る診察を行っています。
そうなんですね。宮田先生、教えていただきありがとうございました。
まとめ
この記事では、宮田先生に「生理前や生理中の倦怠感」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 生理前〜生理中の倦怠感は「月経前症候群(PMS)」あるいは「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれる症状のひとつ。
- 排卵後に黄体ホルモンの分泌量が増えることで脳が作用し、イライラや倦怠感が起こると考えられている。
- “幸せホルモン” とも呼ばれる「セロトニン」の分泌が生理前には減ることも原因と考えられる。
- 改善策は、適度な運動や食生活や生活習慣の改善、ストレス解消などがある。
- 食事療法として「カルシウム」「ビタミンB6」を多く含む食材や、お米やパン、うどんなどの複合炭水化物の摂取がおすすめ。
生理期間の倦怠感は黄体ホルモンによって引き起こされると考えられていて、誰にでも起こりうる症状です。しかし、重度のPMSには医師の診断と治療が必要です。症状が重く感じる場合にはひとりで悩まずに婦人科に相談しましょう。