「おりもの」のこと知ってる?基礎知識まとめました!
おりものとは
「おりもの」とは、子宮頸部(膣につながる部分)、子宮内膜、膣から分 泌される粘膜状の分泌液のこと。女性ホルモン(エストロゲン)の影響をうけ、生理周期に合わせ、おりものの量や粘り気が毎月変化します。おりものの主な成分は、善玉菌(デーデルライン桿菌)、子宮内部から排出される老廃物、膣内部の汗腺などです。
おりものは何のためにある?役割とは
おりものの役割は大きくふたつ。
ひとつめは細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ役割。
おりものの中には「デーデルライン桿菌 (かんきん)」という善玉菌が含まれていて、膣内の病原体の侵入や増殖を防ぐはたらきがあります。膣は肛門や尿道の近くにあるため、雑菌が侵入しやすいデリケートな場所です。この善玉菌の作る乳酸には浄化作用があり、病原体が侵入した時には細菌も一緒におりものとして排出し膣内部をきれいに保ってくれます。
ふたつめは受精のお手伝い。精子が卵子とスムーズに出会えるようにサポートしています。妊娠のしやすい排卵の時期には、おりものがアルカリ性となり精子を保護します。
この他にも、女性ホルモンの分泌状態や生理周期、健康状態によっても量やにおい、色が変わるため、おりものは女性の体の健康状態が分かるバロメーターとしての役割もあります。
何歳から何歳までおりものが出るの?
おりものは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌とともに量や色が変化します。一般的にははじめての生理の約1年前から徐々に女性ホルモンが分泌されはじめ、おりものの量が増えはじめます。女性ホルモンの分泌は20〜30代がピークとなり、この時期におりものの量がもっとも多くなります。その後女性ホルモンの減少とともにおりものは少なくなっていき、閉経後2~3年になると卵胞ホルモンがほとんど分泌されなくなるため、おりものも排出されなくなります。
はじめての生理の約1年前から徐々に女性ホルモンが分泌されはじめ、おりものの量が増えはじめます。
生理が始まってからの数年はまだまだ女性ホルモンの分泌が不安定で、生理周期も不安定と言われることが多い時期です。おりものの量も多い時と少ない時のばらつきがあります。
女性ホルモンの分泌は20〜30代前半がピークとなり、おりものの量がもっとも多くなる時期です。
女性ホルモンの分泌が減少していく時期。それとともに、おりものの量は少なくなっていきます。特に40代後半になると、生理が不規則になりおりものの量は減っていき、周期も不規則になっていきます。
閉経後2〜3年になると、女性ホルモンがほとんど分泌されなくなるため、おりものの量も一気に減ります。子宮や膣内の善玉菌が減ることで、膣が乾き自浄作用が弱まり、膣炎を起こしやすくなります。
おりものが多くなる時期は?
おりものは生理がある日以外に子宮、膣内部から分泌されます。特に量が多くなるのは排卵期と呼ばれる時期。
生理直後は、子宮内に残った経血が混じったおりものが排出されます。周期の中ではもっとも量が少ない時期。排卵期に近づくと量も増え始めます。
排卵期はもっとも量が多くなります。精子は酸に弱いため、この時期のおりものは、酸性からアルカリ性へと変化し受精のサポートを行なっています。そのため妊娠をしやすい時期でもあります。
排卵期を過ぎるとおりものの量は次第に減少します。ドロっとした状態で、下着につくのが気になりやすい時期です。生理前にかけて量が増えていき、生理の数日前から少量の血液が混じることもあります。
エストロゲンの分泌が増えるため、おりものの量が増えます。
おりものの色ってどんな色?
おりものの色は生理周期や体調によって変化します。
生理直後は、残った経血が混じった赤茶っぽいおりもの。
とろみのある水っぽい半透明、または白濁したおりもの。
ドロっとした白濁したおりもの。生理の数日前から少量の血液が混じることもあります。
白濁したおりものや、黄色っぽくクリーム色のおりもの。
おりものの性状
おりものの性状は生理周期や 体調によって変化します。
生理直後は、白っぽくゼリー状のおりものです。排卵が近くなるにつれて卵白状のおりものは粘り気が増します。
排卵直前からとろみのある水っぽいおりものは量が増え、粘り気が強まります。
ドロっとした白濁した卵白状のおりものです。
さらっとした水っぽい状態であることが多いです。妊娠中はホルモンバランスが不安定なことにより、粘り気があったり、水っぽかったり、個人差が出やすい時期でもあります。
おりもののにおいって?
おりものは少しすっぱいにおいがします。このにおいの原因は、膣内部にいる善玉菌(デーデルライン桿菌など)が作り出す乳酸です。乳酸が膣内部を酸性に保つことで悪玉菌の繁殖を防ぎ、健康な状態を保っています。おりものや女性の陰部のにおいはチーズやヨーグルト、お酢などと例えられますが、このすっぱいにおいは膣内部が健康の証拠でもあるので、神経質に心配し過ぎる必要はありません。また、風邪やストレスなどで免疫力が低下すると、膣内環境が乱れ、おりものの臭いが強くなることがあります。
避妊を行わないで性行為を行なった場合、膣や子宮内に残った精子がおりものとして排出されるため一時的ににおいが普段と異なることがあります。気になる場合は膣内洗浄器を使用してみてもよいかもしれません。
においを気にするあまり、洗浄力が強過ぎるボディーソープで洗い過ぎたり、膣内洗浄器を頻繁に使用したりすると、善玉菌が減ってしまい雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。気になる場合はデリケートゾーンに適したソープや弱酸性のソープを使用しましょう。
いつもと違う強いにおいがしたり、かゆみやかぶれを伴う場合は、別の病気が潜んでいる場合があるので医師に相談するようにしてくださいね。
おりものチェック
おりものの知識があっても、「おりものが増えた」「きついにおいがする」「水っぽい」などとおりものの変化に驚いて不安になることもありますよね。
おりものは女性の体の健康状態が分かるバロメーターとしての役割もあるため、体調を崩したり、不規則な生活が続いたときなど、ちょっとしたストレスと体調の変化で性状は異なってきます。性状がいつもと異なっている場合でも、過剰に心配する必要はないことが多いです。
しかし、「痰のように泡立っている」「ボロボロとしている」「茶色や緑色など色がいつもと違う」という場合には、膣内部が傷ついていたり、細菌が繁殖している可能性もあります。不安な時は婦人科を受診しましょう。
おりものによる下着汚れが気になる方に
下着汚れ防止でおりものシートを使用する方におすすめなのが、長時間つけても比較的肌にやさしいタイプの商品。オーガニックコットンを使用したものや、めくるだけで取り替えられるおりものシートなど、なるべく肌に負担にならないものを選びましょう。
表面シートに天然コットンを使用しているのでかぶれにくいおりものシートです。肌触りはふわふわで、表面加工をなみなみにすることによって通気性を上げているので、快適に過ごせますよ。
おりもののニオイが気になる方に
おりもののニオイが気になる方には、膣洗浄器や、香り付きなど消臭機能を強化したおりものシートがおすすめです。香り付きのおりものシートはいろいろな香りのものが販売されているので、自分の好きな香りを見つける楽しみもありますね。
生理前や生理の終わりかけなど、においやおりものの対策に最近注目されている「膣内洗浄器」。ジェルを膣内に流し込んで洗浄するアイテムです。ジェルによって膣内の自浄作用を弱めずに膣内を清潔に洗浄するといわれています。
まるで香水のようにふんわりと漂う香り付き。おりもののにおいを軽減するマスキングシステムと全面通気シートで、肌も下着もきれいなままに保ちます。装着時の音が軽減された「やわらかラップ」を採用しており、音が気になる方にも安心して使っていただけますよ。
デリケートゾーンのお手入れに
錦糸町駅前レディースクリニックの李先生によると、弱酸性で泡タイプのような刺激の少ないソープや、デリケートゾーン専用のソープは、肌トラブルが起こりやすい方にもおすすめなのだそう。
女性の性を支える国産ブランド「iroha」から発売されているデリケートゾーン専用ソープです。ボトルのデザインがスタイリッシュでお風呂場に置いておいていても恥ずかしくないのがうれしいです。
アメリカで1番売れているデリケートゾーン専用ソープ「サマーズイブ」は、ジェル状で泡立ちもよく、お手ごろ価格が特徴。デリケートゾーンの匂いが軽減されると好評だったため購入してみました。香りもほのかにする程度で、使用後の肌はもちもちしているような感覚があり気に入りました。
下着の汚れが気になるときに
おりものは女性のからだの 味方だった……!
においやベタつきが気になる、下着が汚れる…と嫌厭されがちなおりもの。ですが、実は女性のからだを守ってくれるものだったんです。以前友人と旅行に行った際、おりものシートを持参していた私を見た友人が「毎日おりものを気にしているのは私だけじゃなかったんだ」と言ったことが印象に残っています。おりもののことを詳しく知る機会が少なくて、不安になった経験がある人も多いんじゃないでしょうか。月に一度訪れる生理以上に長く付き合っていく”おりもの”だからこそ、正しく理解しておきたいですね。