生理前に胸の張りや痛みを感じるのはなぜ?
生理前の「胸の張り」や「痛み」の原因
生理前に胸の張りや痛みを感じるのはどうしてですか?
月経前の2週間は黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が増えることで胸の張りを感じる人がいらっしゃいます。月経がはじまると段々と落ち着いてきます。
月経が終わっても落ち着かない場合や、生理前じゃないのに胸が痛いときは別の病気が隠れている可能性があるので乳腺科を受診された方が良いと思います。
胸の張りや痛い時の対処法
胸が痛いときはどんな対策をしたら良いのでしょうか?
授乳や妊娠をしていない場合でしたら、鎮痛剤を内服して大丈夫です。また、ブラジャーが身体にあっているかも確認しましょう。ブラジャーを月経周期によって変えるのも対策のひとつです。
普段はワイヤー入りのブラジャーを使っていたとしても、生理前できつくなったら締め付けのないワイヤーレスのブラジャーや一段大きいものを選ぶと良いと思います。
また、カフェインを含む飲み物やそのほか刺激物を避けることも良いといわれています。
これはPMS(月経前症候群)全般にいえることです。
痛みがひどい場合に考えられる病気
胸の痛みが酷くなった場合、考えられる病気はありますか?
痛みが一箇所なのか全体なのかで原因が変わってきます。
一箇所であるとできものができる乳腺嚢胞か乳房の感染症(授乳中の方などの乳腺炎など)が考えられます。
全体であ ると月経前のホルモンの影響や、繊維嚢胞性変化、靭帯が伸ばされているなどが考えられます。
また、がんで痛みがでることはあまりないといわれていますので、一ヶ月に一回必ず自分で胸を触っておく習慣をつけておくと良いと思います。生理中だと胸が張っているので、生理が終わったあとに自分で触っておくと何か変化があったときに気付けるようになります。
自分で触っておくことも大切なんですね!小野寺先生、ありがとうございました!
まとめ
この記事では、小野寺先生に「生理前の胸の張り・痛み」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 生理前には乳房が腫れたり痛くなったりすることがある。
- この症状はホルモンバランスの変化によるもの。
- 生理が始まると症状が落ち着くが、生理後にも症状がある場合には乳腺嚢胞か乳房感染症など別の病気の可能性もある。
- 胸が痛いときは授乳中や妊娠中でなければ鎮痛剤を内服し、締め付けの少ない下着や服を身につける。
生理前の胸の腫れや痛みはホルモンバランスの変化によるもの。痛みや腫れがある場合には、ブラジャーを着用したり締め付けの少ない服を着用するようにしましょう。生理後も腫れや痛みが引かない場合には別の病気の可能性もあるため医師に相談するようにしてくださいね。
女性医療クリニックLUNA横浜元町 副院長
日本産科婦人科学会認定専門医
2014年 久留米大学医学部卒業
2016年 東京都立大塚病院
2019年12月 女性医療クリニックLUNA横浜元町で婦人科外来を開始