急に汗が止まらない…更年期障害によるほてり・発汗・ホットフラッシュの原因や対処方法は?
更年期とは
そもそも “更年期” とは具体的に何歳ごろのことなのでしょうか?
“更年期” とは “閉経前後の5年間” のことです。つまり、合わせて10年程度が更年期にあたります。閉経年齢は人によって異なりますが、日本人の平均閉経年齢は約50歳ですので40代後半からが更年期に当たる方が多くなります。
更年期障害とは
そうなんですね。では “更年期障害” とはどのようなものなのでしょうか?
まず “更年期症状” は、更年期において病気など身体に根本的な異常がないのにも関わらず起こる、多種多様な症状のことをいいます。この更年期症状のうち、日常生活に支障をきたす症状を “更年期障害” と呼んでいます。
ホットフラッシュとは
なるほど。更年期障害の症状として、急に顔がほてって汗が止まらなくなる症状があると思うのですが、この症状は何なのでしょうか?
「ホットフラッシュ」と呼ばれる更年期障害の中でも代表的な症状です。上半身が急にほてったり、汗が止まらなくなったりする症状のことをいいます。首から上だけ汗が止まらなくなる方もいらっしゃいます。
ホットフラッシュはなぜ起こるのでしょうか?原因を教えていただきたいです。
女性ホルモンの急激な低下によって、自律神経が乱れてしまうことが原因として挙げられます。脳が正常にはたらかず、暑くないのに暑く感じる信号を送ってしまうんです。
なるほど、そのような仕組みなのですね。先生の病院でもホットフラッシュの症状を訴える患者さんは多いのでしょうか?
更年期障害の症状は多彩で、さまざまな不調を訴える患者さんがいらっしゃいますが、最も頻度が高いのが、この「ホットフラッシュ」の症状です。そのためホットフラッシュの有無で、更年期かどうかを判断することもあります。
ホットフラッシュの前兆や起こりやすいタイミング
判断基準のひとつになるのですね。ホットフラッシュの症状が出る予兆や、起こりやすい時間帯などはあるのでしょうか?
決まったタイミングや予兆が全くなく、ランダムに起こります。四六時中起こる可能性があるので「ホットフラッシュが起こるかも…」という心理的な負担から人前に出られなくなってしまう方も少なくありません。
ホットフラッシュの対処法や治療法
それは深刻な問題 ですね…。何か対処法や治療法はあるのでしょうか?
一番効果がある治療法はホルモン補充療法です。注射や飲み薬や貼り薬、ジェル状のタイプもあるので、患者さんに合わせて処方しています。ホルモン補充療法はかなりホットフラッシュに効果があるので、一度処方をするとその効果に感動される方もいらっしゃいます。
そんなにいろいろな種類があるのですね!ちなみにセルフケアでの対処法 はありますか?
セルフケアですと、リラックス効果のあるカモミールティーを生活に取り入れたり、温度調節のしやすい服装をすることをおすすめしています。周囲に「わたし汗っかきだから」と宣言してしまうこともひとつの方法です。そうするとたとえホットフラッシュで汗をかいてしまっても、周りも気になりにくくなり、ご本人の心理的な不安の軽減にもつながります。
なるほど。一人で悩 まずに婦人科の先生に相談したり、周りの人の協力を仰ぐことも大切ですね。宮田先生、教えていただきありがとうございました!
まとめ
この記事では、宮田先生に「更年期のホットフラッシュ」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 更年期は女性にとって必ず訪れるものであり、身体的・精神的な変化が起こる。
- 急に顔がほてって汗が止まらなくなる症状を「ホットフラッシュ」と言い、更年期症状の中でも代表的な症状。
- ホットフラッシュは、更年期の女性ホルモンの急激な低下によって、自律神経が乱れてしまうことが原因で起こる。
- ホットフラッシュが起こる予兆や決まったタイミングが全くないため、いつ起こるかにストレスを抱える方が多い。
- 治療法にはホルモン補充療法が最適。注射や飲み薬、ジェルなどさまざまな種類がある。
- 自分でできる対処法としては、リラックス効果のあるカモミールティーを生活に取り入れ たり、温度調節のしやすい服装をするのがおすすめ。
更年期の代表的な症状とも言われる「ホットフラッシュ」。症状が起こるタイミングがわからないため、引きこもりがちになってしまう患者さんも多いと言います。症状に悩んでいる方は、一人で悩まずにぜひ婦人科を受診してみてご自身にあった治療法で対処しましょう。