
これって更年期障害?頻尿・尿もれの原因と対処方法

更年期は何歳ごろにあたるのか
そもそも “更年期” とは具体的に何歳ごろのことなのでしょうか?


“更年期” とは “閉経前後の5年間” のことです。つまり合わせて10年程度が更年期にあたります。閉経年齢は人によって異なりますが、日本人の平均閉経年齢は約50歳ですので、40代後半からが更年期に当たる方が多くなります。

更年期障害とは
そうなんですね。では “更年期障害” とはどのようなものなのでしょうか?


まず “更年期症状” は、更年期において病気など身体に根本的な異常がないのにも関わらず起こる、多種多様な症状のことをいいます。この更年期症状のうち、日常生活に支障をきたす症状を “更年期障害” と呼んでいます。
更年期に頻尿や尿漏れが起こる原因
なるほど。更年期障害の症状として「頻尿」や「尿漏れ」の症状がある場合がありますが、どうしてこのような症状が起こるのでしょうか?


まず、加齢による筋肉の衰えです。骨盤を支える「骨盤底筋」や、排尿を調節する「尿道括約筋」が弱ることが原因のひとつです。次に、自律神経の乱れです。更年期では女性ホルモンの急激な低下によって自律神経が乱れ、膀胱を過度に伸縮させてしまうことで頻繁に尿意をもよおしたり、尿漏れの原因に繋 がります。また、尿道や膀胱の神経が衰えて、尿が止まっていないのに止まっているように感じてしまうことも原因です。
尿漏れが起こりやすい人はいますか?


出産経験のある方は、分娩時に骨盤底筋に負荷がかかるため、尿漏れが起こりやすくなります。
頻尿や尿漏れの対処法
頻尿や尿漏れはどのように対策すればよいのでしょうか?


まず “適正体重を守ること” です。骨盤の内臓脂肪が増えると脂肪が膀胱を圧迫し、より尿意が起こりやすくなります。また、腹圧をかけすぎないこと。力んだり重いものを一気に持ったりすると腹圧がかかり、尿が漏れやすくなります。笑っても腹圧はかかるので完全になくすことは不可能 ですが、かけすぎないように心がけましょう。あとは骨盤の筋肉を鍛える「骨盤底筋体操」もおすすめです。
尿漏れで悩んでいる場合は婦人科に相談すればよいのでしょうか?


泌尿器科が専門になります。ですが、まずは婦人科に相談に来る方もいらっしゃいます。婦人科でも、日常生活の指導をしたり、過活動膀胱のお薬を処方したりということは可能です。それでよくならない場合は泌尿器科へ 紹介しています。
そうなんですね。市販の尿漏れパッドはどのタイミングで使い始めればよいのでしょうか?


ちょっと漏れたかな…と思ったら使ってみてもよいと思います。前より尿意が近くなった、我慢できなくなった、と危機感を覚える瞬間がきっとあると思います。そうして徐々に尿漏れが始まります。尿漏れが怖くて自宅に引きこもってしまう患者さんもいらっしゃるので、尿漏れパッドな どもうまく活用してこれからの人生を楽しんで欲しいと思っています。
そうですね。尿漏れパッドは最近はおしゃれなものも多いのでうれしいですよね。気になる症状が出てきたらぜひ取り入れてみたいです。宮田先生、教えていただきありがとうございました!

まとめ
この記事では、宮田先生に「更年期の頻尿・尿漏れ」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 更年期には尿漏れの症状が現れることがある。
- 尿漏れは筋肉の老化や、膀胱の収縮力の低下が原因となる。
- 更年期には自律神経が乱れ、膀胱を過度に伸縮させてしまうことで頻繁に尿意をもよおしたり、尿漏れの原因に繋がる。
- 出産経験のある場合は、分娩時に骨盤底 筋に負荷がかかるため尿漏れが起こりやすくなります。
- 対策としては、適正体重を守ることや、腹圧をかけすぎないことが効果的。
- 更年期の尿漏れに悩んでいる場合は、泌尿器科や婦人科に相談を。
更年期には、尿漏れの症状が現れることがあります。この症状は筋肉の弱化や、膀胱の収縮力の低下が原因となることが多いです。更年期における尿漏れは、ホルモンバランスの変化が影響している可能性があるため、気になる場合には泌尿器科や婦人科に相談し、適切な治療を受けることが大切です。