
「子宮体がん検診」とは?痛いってほんと?

「子宮体がん」とは
まず「子宮体がん」とはどのような病気なのでしょうか?


「子宮体がん」は子宮体部にできるがんです。子宮体部の内側 “子宮内膜” の部分に発生することから「子宮内膜がん」と呼ばれることもあります。
「子宮体がん検診」とは?痛みは?
子宮体がん検診はどんな検査をするのでしょうか?


子宮体がんの検査では、細いブラシのような器具で子宮の中(子宮内膜)の細胞を取って調べる「子宮内膜細胞診」という検査を行います。
ブラシでこすり取る…なんだか痛そうですね。


痛みを感じる方もいらっしゃいます。ただ、個人差があるので、痛みもなく一瞬で検査が終わる方ももちろんいらっしゃいますよ。また、出産経験がなかったり、高齢の方だったりすると、子宮の入り口が狭く、検査器具を挿入しにくい場合もあります。
「子宮体がん検診」が痛い場合の対処法
検査器具が入らなかったり、痛みが強すぎたりする場合はどのように対処されるのですか?


検診目的であれば、経腟エコー検査 (経腟超音波検査) で内膜を確認して、心配がないと判断できる場合もありますが、子宮体がんを疑う場合、検査はしっかりと行う必要があるので、痛みを感じにくくなるように麻酔を使用したり、あらかじめ子宮の入り口を広げる処置をしたりしてから検査にのぞむこともあります。
「子宮体がん検診」はどこで受けられる?
子宮体がん検診はどこで受けられるのでしょうか?


婦人科で受けることができます。また、人間ドックや健診施設ではオプション検査として提供している場合もありますが、子宮頸がん検診と異なり、すべての方におすすめする検査ではないので、まずは子宮体がん検診を受ける必要があるかどうか問診で相談するとよいでしょう。
「子宮体がん検診」を受けるべき人
子宮体がん検診はどんな人が受けた方がいいのでしょうか?


子宮体がんは、発症すると初期の段階から出血などの症状が見られることが多いです。そのため、不正出血や月経不順が見られる場合には注意が必要です。子宮体がんは閉経前後 (50〜60代) に多い病気のため、特に閉経前後にそのような症状が見られる場合には、婦人科を受診し医師の判断で検査を受けていただきたいです。
年齢が若い場合は、子宮体がんは気を付けなくてもよいのでしょうか?


いいえ、若い方でも「子宮体がん」の発症リスクはあります。若い方でも不正出血や月経不順が見られる場合は、婦人科で相談してみましょう。まずは経腟エコー検査で子宮内膜の状態を確認する必要があると思います。

そうなのですね。鈴木先生、ありがとうございました。

まとめ
この記事では、鈴木先生に「子宮体がん検診」についてお話しいただきました。ポイントをまとめると下記の通りです。
- 子宮体がんとは、子宮 体部にできるがん。子宮体部の内側 “子宮内膜” の部分に発生することから「子宮内膜がん」と呼ばれることもある。
- 子宮体がんは、閉経前後 (50〜60代) に多い病気。発症すると初期の段階から出血などの症状が見られることが多いため、若い女性でも不正出血や月経不順が見られる場合には注意する。
- 子宮体がん検診では、「経腟エコー検査 (経腟超音波検査)」や、細いブラシのような器具で子宮の中 (子宮内膜) の細胞を取って調べる「子宮内膜細胞診」という検査を行う。
- 子宮内膜細胞診では、人によっては検査器具が入らなかったり、痛みが強すぎたりする場合があり、その場合はあらかじめ子宮の入り口を広げる処置をしたり、痛みを感じにくくなるように麻酔を使用したりすることもある。
- 子宮体がん検診は、婦人科で受けられる。また、人間ドックや健診施設ではオプション検査として提供している場合もある。
50〜60代以降に患者数が増える子宮体がんは、女性が特に気をつけたいがんのひとつ。若い女性でも不正出血や月経不順が見られる場合には注意が必要です。気になる症状がある場合には婦人科を受診し、医師の判断で検査を受けるようにしましょう。
1996年3月浜松医科大学卒業
1996年5月浜松医科大学医学部付属病院産婦人科
その後、大学関連病院勤務を経て
2003年3月浜松医科大学大学院修了
2003年4月米国カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部がんセンター
2006年4月聖隷健康診断センター
2010年4月聖隷健康サポートセンターShizuoka 所長 現在に至る
2016年4月静岡県立大学客員教授