PMDDってなんですか?PMSとの違いは?
PMDD(月経前不快気分障害)とは
PMDDってなんですか?
生理前の身体・心の不調を月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)といいますが、そのなかでもとりわけ精神的不調の程度が重く、日常生活に支障をきたすことを月経前不快気分障害(PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder)といいます。
どのような精神症状が当てはまるのでしょうか?
・イライラ
・感情が過敏になる
・感情の制御 ができない
・集中力の低下
・憂うつ感
・不安感
・ネガティブ
・涙もろさ
・不眠
など
酷い場合は死について考える(希死念慮)場合もあります。
PMDDになると「仕事や学校に行きたくない」「何もしたくない」など日常生活に支障をきたします。
PMDDの治療方法
PMDDかもしれないと感じたら、どうしたら良いのでしょうか?
まずは一度婦人科にご相談ください。
治療方法は、精神科で使うような抗不安薬・抗うつ薬を少しだけ使うという治療方法や、低用量ピルを使いホルモン値を安定させることで気持ちを落ち着かせる方法があります。
また、ピルの服用に不安な方には漢方を処 方することもあります。
いろいろな方法があるのですね。
はい。しかし、婦人科では心理療法やカウンセリングに近いことがなかなかできないことが多いので、精神科を紹介する場合もあります。
当院ではまずお話を聞かせていただき、いろいろな方法の中から患者さんに選んでいただくようにしています。
PMDDやPMSの症状が現れやすいタ イミングは?
PMDDやPMSはいつ頃から症状が現れるのでしょうか?
排卵直後から症状が現れる方もいれば、生理がはじまるギリギリから症状が現れる方もいらっしゃるので個人差があります。
一般的には、生理予定日の3~10日前と言われていますが、排卵直後の14日前から現れる方もいらっしゃいます。
生理がはじまったらPMDDやPMSの症状が改善するか否かを判断していただくと良いと思います。
また、どのような症状が現れるのかアプリや日記に記録しておき、それを見せながら受診していただくと、私たちも 見やすいですし患者さまも説明がしやすいと思います。
そうなんですね!
佐藤先生、教えていただきありがとうございました。
まとめ
この記事では、佐藤先生に「月経前不快気分障害(PMDD)」についてお話いただきました。 ポイントをまとめると下記の通りです。
- 生理前の身体・心の不調を「月経前症候群(PMS)」といい、そのなかでも精神的不調の程度が重い場合を「月経前不快気分障害(PMDD)」という。
- 生理予定日の3〜10日前からPMDDやPMSの症状が起こる方が多いが個人差がある。
- イライラ、集中力の低下、憂うつ感、涙もろさ、不眠などさまざまな精神状態があり、症状が重い場合は死について考える (希死念慮) が起こる場合も。
- PMDDの治療方法としては、抗不安薬・抗うつ薬を使用する治療方法や、低用量ピルを使いホルモン値を安定させることで気持ちを落ち着かせる方法などがある。
PMDDになると「仕事や学校に行きたくない」「何もしたくない」など日常生活に支障をきたします。気になる場合はぜひ一度婦人科に相談してみてくださいね。