子宮内避妊リングとは?「ミレーナ®」とは何が違うの?
「子宮内避妊リング」とは
近ごろ「子宮内避妊リング」というものをよく耳にしますが、どのようなものなのでしょうか?
「子宮内避妊リング」とは、避妊を目的に子宮内に装着する器具のことです。
リング状 (円状) の器具なのでしょうか?
昔はリング状の器具だったため今でも慣習的に “リング” と呼ばれていますが、これまでに改良を重ねられ現在日本で取り扱われているものはT字の形をしています。
どのような仕組みで避妊ができるのでしょうか?
子宮内避妊リングは「IUD(Intrauterine Device)」とも呼ばれ、子宮内に入れることで受精卵の着床を防ぎ、避妊ができる仕組みです。
「ミレーナ®」とは
そうなんですね!最近よく聞く「ミレーナ®」も子宮内避妊リングなのでしょうか?
はい。「ミレーナ®」は「IUS(Intrauterine System)」と呼ばれる子宮内避妊リングで、器具からホルモンを少しずつ放出します。ホルモン剤で子宮内膜を薄い状態に保つことで、受精卵がさらに着床しにくい状態を作り出します。ホルモン治療薬としての側面もあるので、月経困難症や月経過多の治療にも効果があります。こちらは、避妊目的の処方では自費となりますが、月経困難症の治療薬としては保険適用が可能です。
効果が見込める期間
どのくらいの期間、効果があるのでしょうか?
ホルモン付加ではないタイプ (IUD) は3年間、ホルモン付加のタイプ (IUS) つまり「ミレーナ®」は5年間で交換です。入れたままで効果が持続します。
子宮内避妊リングの避妊率はどのくらいなのでしょうか?
避妊率は、ホルモン付加ではないタイプ (IUD) は96%、ホルモン付加のタイプ (IUS) つまり「ミレーナ®」は99.8%と言われています。 そのため、まれに子宮内避妊リングを付けていても妊娠する場合があります。
子宮内避妊リングの装着方法と注意点
子宮内避妊リングはどのように装着するのでしょうか?
産婦人科、婦人科で行います。子宮内避妊リングが先端に 付いた細い器具を子宮内の奥まで挿入し、子宮内避妊リングのみを子宮内に残し器具を抜きます。装着自体は5分程度ですぐ終わります。
そんなに短時間で装着できるのですね!なにか注意点はありますか?
出産経験のある方でないと装着が困難な場合があります。出産経験があると子宮の入口がやわらかくなるのですが、出産経験がない場合は固いため痛みを伴います。また、無理に装着して子宮を 傷つけてしまう可能性もあるため、病院によっては出産経験のある方のみに装着している場合もあります。
先生の病院ではどのような目的で子宮内避妊リングを装着される方が多いでしょうか?
保険適用されるので月経困難症や月経過多の治療として「ミレーナ®」を装着される方がほとんどです。装着時に痛みはあると思いますが、出産経験のない方も装着されています。生理痛を毎月繰り返すよりは、装着時の痛みに耐えてでも月経困難症を楽にしたい、と思う方も多いようです。純粋な避妊目的では自費扱いになるため、装着される方はあまりいらっしゃいません。
どうしても痛みが怖い場合、麻酔をかけての装着は可能なのでしょうか?
たしかにそのようなニーズはありますが、麻酔の管理は規模の小さいクリニックでは難しいので、通常はクリニックでは麻酔下の挿入は行っていません。
そうなんですね。子宮内避妊リングを装着後は生理に何か変化があるでしょうか?