
【つらい生理前や生理中に】 PMS・ 生理痛向けの市販薬11選
PMSや生理痛が起こる仕組み
PMS(月経前症候群)とは、生理前の3〜10日の間続く、身体・心の不調のことをいいます。PMSの詳しい原因は解明されていませんが、排卵から生理までの期間に多く分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンの急激な低下による影響と考えられています。
生理痛は、妊娠が成立しなかったときに子宮内膜が剥がれ落ち、子宮が収縮することで起こります。このときに分泌される「プロスタグランジン」という物質が生理中の痛みの主な原因とされています。黄体ホルモンの低下に伴ってそれが増えることで、子宮だけでなく全身にも影響すると考えられています。
PMSや生理痛の症状
PMSの症状は、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、食欲の増加、眠気や不眠、肌荒れなどの身体的症状から、イライラ、不安、情緒不安定といった精神的症状までさまざまです。生理が始まると、PMSの症状は落ち着いてきますが、黄体ホルモンの低下によって下腹部の痛みや頭痛、腰痛、下痢などの症状があらわれることがあります。また、血液が失われることによって、血管内の血液容量が減少し、脱水症状が起きることで動悸や息切れ、めまいなどが生じることがあるといわれています。
市販薬の選び方
PMS・生理痛向けの市販薬は、ドラッグストアやインターネットで手軽に購入することができます。しかし、種類が豊富なあまり、どれを選べばいいのか分からない、という方もいるのではないでしょうか。症状や副作用を考慮して、自分に合った市販薬を選ぶことが大切です。
PMSや生理痛の症状は人それぞれです。まずは自分の症状を把握し、効果のある市販薬を探してみましょう。たとえば、頭やお腹の強い痛みが気になる方は鎮痛作用があるものが役に立つとされています。また一方で、だるさや精神的な不調が気になる方は、漢方薬の服用によって効果が期待できます。症状ごとに合う市販薬を選ぶことで、つらい時期を少しでも快適に過ごしやすくなります。
体質によっても、適切な薬の種類は変わっていきます。たとえば、胃が弱い方には、「アセトアミノフェン」をはじめとする胃にやさしい成分が配合された薬が選ばれることがあります。また、薬の種類によっては、服用すると眠くなってしまうものもあります。仕事や運転などの予定がある方は、眠くなりにくいものを選ぶと安心です。こうしたことを考慮することで、無理なく体の不調を改善することにつながります。
PMSや生理痛に作用する薬には、効果を実感するまでに1か月程度飲み続ける必要があるものや、数か月服用することで効果を感じられるものもあります。そのため、服用のタイミングや期間・量・回数などが自分の生活リズムに合ったものを選ぶことをおすすめします。また、特に漢方などの独特な風味が気になる場合は、錠剤のものや糖でコーティングされたものを選ぶと、飲みやすいと感じられることが多いといわれています。
市販薬の正しい飲み方
市販薬の効果を最大限に引き出し、副作用を抑えるためには、用量・用法を守って使用することが基本です。また、痛みが本格的になる前に服用することも大切であるといわれています。鎮痛薬の場合、服用してから効果が出るまで20〜30分かかるとされており、早めに飲むことでより痛みを和らげる可能性が期待できます。さらに、もし空腹時に服用してしまうと、胃に負担がかかって荒れやすくなってしまいます。そのため、食事を済ませてから服用することを心掛けましょう。
PMS・生理痛向けの市販薬
生理痛専用の効果・効能をもつ鎮痛薬。痛みのもととなるプロスタグランジンが必要以上に作られるのを防ぎ、子宮・腸管の過度な収縮を抑え、締め付けられるような痛みを和らげることが見込めます。小粒で飲みやすく、眠くなりにくいことも特徴です。
OTC医薬品(医師の処方箋なしで購入できる一般用医薬品や要指導医薬品)の中で、日本で唯一のPMSのための医薬品です。プレフェミンの継続的な服用によって、イライラ感、怒り、抑うつ気分といった精神的症状や、乳房のはり、頭痛などの身体的症状への有効性が臨床試験によって報告されているそう。
「イブプロフェン」が速く溶け、痛みのもとにすばやく作用するとされています。また、「アセトアミノフェン」が痛みの信号に働きかけ、痛みを和らげる力が期待できます。さらに、胃にやさしい成分「乾燥水酸化アルミニウムゲル」配合で、眠くなりにくいのも特徴です。
7歳以上から服用可能で、小中学生でも使用できます。独自のコーティング技術により、苦味のある「アセトアミノフェン」も、口の中では苦味を感じにくくなっていま す。眠くなりにくく、授業や部活など、大事な場面で支障が出にくいよう工夫がされています。
生理、妊娠、出産などの影響を受けた女性ホルモンや自律神経のアンバランスによって起こる症状の改善をサポートします。血行を促す11種類の生薬が配合されていて、体を温めやすくする働きがあるとされています。また、効果・効能として、生理痛や頭痛、腰痛やイライラなどの心身不調や生理不順、冷え症などが記載されています。
生理痛や頭痛の痛みのもとであるプロスタグランジンの生成を抑制する鎮痛成分「イブプロフェン」を、シリーズ最大量の200mg配合した鎮痛剤。小粒で飲みやすく、比較的胃にやさしいイブプロフェンを使用しています。
生理中のつらい痛みやイライラを、3つの成分が働くことで抑える効果が期待できます。さらに、フィルムコーティングがされており、苦みを感じにくく飲みやすい市販薬となっ ています。
「アセトアミノフェン」と「エテンザミド」が配合された鎮痛薬で、頭痛や腹痛などの痛みに働きかけるとされています。8歳から服用でき、大人はもち ろん、子どもにも対応できる点が心強いですね。
やや体力がない状態で、不安感やイライラした気持ち、冷え、のぼせ、更年期障害、生理不順などの改善に効果が見込めるお薬です。
比較的体力がある状態で、肩こり、めまい、腹痛、肩こり、のぼせ、足の冷え、にきび、しみ、生理痛、生理不順、更年期障害などの改善に効果が見込めるお薬です。
こんなときは病院へ
市販薬を正しい用法・用量で長期間試していても以下のような状態であれば、市販薬だけで対応しようとせずに、早めに病院を受診することをおすすめします。
・痛みが十分に和らがない、または痛みがだんだんひどくなっていると感じる
・日常生活に支障が出てしまうほどの強い痛みがある
・経血の量が極端に多い、または不正出血がある
こうした症状がある場合、PMSや生理痛の背景に、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が潜んでいる可能性があります。「つらい」と感じたときは無理をせ ず、医療機関で診てもらいましょう。
まとめ
今回は、PMSや生理痛向けの市販薬について紹介しました。まとめると以下の通りです。
- PMSは、生理前の3〜10日の間続き、頭痛や腹痛などの身体的な不調・イライラ、不安などの精神的な不調があらわれる
- 生理が始まると、子宮の収縮により下腹部痛や腰痛、めまいなどが起こることがある
- PMSや生理痛に効果が期待できる市販薬は、ドラッグストアやインターネットで購入可能
- 症状や副作用、飲みやすさなどを考慮し、自分に合った薬を選ぶ
- 市販薬は、痛みが本格化する前に用量・用法を守って服用する
- 市販薬を飲み続けていても、痛みが緩和されなかったり、経血量が極端に多かったりする場合は早めに病院を受診する
PMSや生理痛の症状は人によってさまざまです。自分の体に合った市販薬を選ぶことで、毎月のつらい不調を和らげる可能性があるでしょう。ただし、症状が強すぎたり長く続いたりする場合は自己判断に頼らず、早めに病院に行くことも大切です。つらい思いを我慢せず、自分なりのケアを見つけることが、快適な毎日への第一歩になります。









